左手ちゃんの日記

すぐしにたくなっちゃう人の日記

「カメラを止めるな!」感想

※ネタバレあり

 

金曜ロードショーでずっとみたいな〜と思っていて結局見れていなかった「カメラを止めるな!」を観た。今回のブログの内容はその感想になります。

 

がっつりネタバレあるのでネタバレを見ずに作品を純粋に楽しみたい方は読まないように!

 

そして、「カメラを止めるな!」が好きすぎる人もあまり読むのはオススメしない。どちらかと言えば批判的な内容になるので、個人的な感想と言えど好きな方は悲しくなってしまうかもしれないので。

 

前置きが長くなりましたがここから感想です。

 

まず大きくわけて私の言いたいことは5つ。

 

①前評判が良すぎたため、個人的に期待値が上がりすぎていたこと。

ブラックボックス展的要素が大きいのでは、ということ。

③キャスト&監督のコメントが結末の重大なネタバレを含んでいたこと。

④「40分過ぎたら面白いからそこまでは観てくれ」と言っていた割に意外性のない展開と、ぼんやりしたオチ。

⑤「40分過ぎたら…」と言われたため苦手なスプラッタを我慢して観た&放送前のコメントで「ホラーが苦手な方も大丈夫ですんで!」が大丈夫ではなかったこと。

 

以上。

 

①について。

前評判が良すぎて期待値が爆上がりしていたので、面白かったには面白かったが、前評判で聞いていたほど面白いと感じられなかった。

しかしこれは前評判がいくら良くても面白い映画は沢山あるので、要素としては薄いです。

 

②について。

①に関連して、前評判の話が続くのですが、

この映画は最初は小さな映画館だけでやっていたものが、話題を呼んで上映館が増え、動員数も増え…という流行り方だったと認識しています。(間違っていたらすみません)

つまりコンテンツのリアルタイム性が大きくこの映画の楽しさを左右するのではないか、ということです。

喩えとしてブラックボックス展を持ってきたのは、「SNSで不特定多数の他人と秘密を共有する優越感」という点で大きく似ていると思ったからです。

リアルタイムで秘密を共有していた人々が、これからまだ何も知らない視聴者にむけて、タイムラインで盛り上がっているという構図。

何も知らないいち視聴者であった私は、そんなに面白いのか、と自分の中のハードルをぐんぐん上げてしまいます。

実際ブラックボックス展に言った時と同じで、私の個人的な感想(試み自体はとても面白いなと思いました)ですが、「なあんだ」という感じでした…。

中身が何かわからないものに対してみんながとても凄いと言っているので、私もすごいのだろうと期待して開けた箱が、私の期待値を下回ってしまったときの悲しさたるや…。

 

ブラックボックス展的なもので言うとほかには、ゼロの執行人を観に行った人達が「私は安室透の恋人だった」と急に目覚めるのを見ていた私達は気になって映画館に駆け込みますが、あのセリフを聞いてなんだそういうことだったのね、と。

 

しかしこれも個人的な感想ではありますが、話題になっていた&重大な秘密(ネタバレ)を抱えていた&前評判がよかった、という条件の上で観ましたが、ゼロの執行人は「なあんだ」と思うものの、同時にあのシーンでときめいた人は多かったでしょう。しかし、安室透というキャラクターの魅力を抜いて純粋にストーリーだけ見ても、私はとても面白いと感じました。

 

なのでブラックボックス的要素も一因ではありますが、その点のみにおいて同じ系統の映画でも私が面白いと感じた映画はあったので、それが強い要素にはなり得ないでしょう。

 

③について。

これは金曜ロードショーで初めて観た人特有の体験なので、映画だけの純粋な面白さとはあまり関係がないかもしれません。

しかし、私はこのコメントで面白さが半減してしまいました…。

「最初のカットの違和感に注目して見てください」というコメント。

察しのいい人ならこのコメントを聞いて冒頭を観たら、「もしかしてこれは劇中劇なのではないか」ということに気がついてしまいますね。私は気がついてしまいました…。

先述したブラックボックス的要素が強い、ということは「意外な結末」が面白さを左右する重大な要素だ、とも言い換えられると思います。

少なくとも私にとっては面白さを左右する重大な要素でした。

 

④について。

「40分見たらあとは面白いから」という前情報を得た私はあまり面白くないなと思いながらも、そこまで言うなら最後には面白い展開が待っているのだろうと、頑張って観てみました。

結果「劇中劇でしたよ〜」というのが最大のオチだったのではという感想…。

劇中劇自体そこまで斬新な発想でもないし、むしろ使い古された展開のように思ったので、なぜそこまで、という気持ちにしかならず……。

そして放映前コメントで劇中劇という結末も予想できていたため、「いや、まあそうでしょうよ…」「だから何なんだ?」「何が伝えたいんだこの映画は?」と思ってしまいました。

確かにネタばらしされたあとの後半戦はギャグ的な(笑えるという)意味で面白いとは思ったのですが、「最初はつまらないと感じるかもしれないけど、ラストは面白いよ」という旨のツイートを多く見かけたので、ラストは面白いんだなあと思いワクワクしながら見ていた私的には、「え?これで終わり?本当に?」と思わずにはいられないぼんやりとしたオチがなんとも言えず、よくわかりませんでした。

少し話が逸れるかもしれませんが、私は朝井リョウの「何者」(帯に「ラスト30ページどんでん返し」的なことが書いてある)を読んで、かなり衝撃を受けたという意味で感動したので、衝撃的な結末が待っているとわかっていても面白いと感じた作品は「何者」だけではなく、ラストに対するハードルがクソ上がっていても面白い作品は面白いと思います…。なのでこれも要素としては薄いかもしれません。

(伝えたいことを私なりに解釈してみましたが、映画やものづくりの楽しさを伝えたかったのかな…とは思いました)

 

⑤について。

これはもうそのままなのですが、先に断わっておくと私はホラー映画やスプラッタ映画などがとても苦手です。(ものにより見れるものもありますが…)

「ホラー苦手な方でも大丈夫なんで!」というコメント、本当に全然大丈夫じゃなかったです。スプラッタがダメな人間にとって耐えられる40分ではないです。それでも頑張ってみたのですが、頑張って観たという事実こそが私の「あまり面白くなかった」という感想に直結するのではないかと思います。

映画は強制されてみるもんではないのでね…。

私も好きで観たんじゃないかと言われればそれまでですが、40分は我慢すれば面白いから、という言葉に釣られて観た人は大勢いらっしゃると思います。たとえそれが苦手なスプラッタでも…。

 

スプラッタを見ると気分が悪くなってしまうことが多いので、途中途中「うっ」「ひい」とかいいながらなんとか見ました。本当にしつこいようですが「ホラーとか苦手な方でも大丈夫」というのは程度によるかもしれませんが少なくとも私は「騙された」と思いました。

多分のこの場合の「ホラーとか苦手な方でも大丈夫」というのは、「ホラーとか苦手な方でも(後半はギャグになるから)大丈夫」ということなのだろうけど…。

観ていてあまり気分の良くないものを観てしまった不快感と、コメントが与えた情報との齟齬で、最初40分で既に「生理的に無理」な域に達していました。それを「そこそこ笑える」までひっくり返したのですから、後半の映像にはそれだけの力があったとも言えますが…。

 

これだけ言いましたが、これは全て私が「自主的に映画が広まる前から映画館で観れば」だいたい解決する話だったので、金ローで見てしまった私にも非はあるということで…。個人的にスプラッタがダメということも大きかったですが…。

 

金ローのコメントは生放送で行われていたということで、そこまで含めてハプニングであり、「カメラを止めるな!」であると言われれば納得してしまいそうな気もしますが。笑

 

あくまで個人的な感想なので、こいつはこう思ったんだな〜程度に見て頂けると嬉しいです。

普段洋画ばかり見ているので、たまには邦画もいいかもしれませんね!